なぞときロジック

各記事にオマケ謎ついてます。 読んだら成功率が上がるかも…!?

謎もストーリーも驚異の美しさ!『Re:mind』(K-dush2)の感想

今日は、慶應義塾大学で唯一体験型謎解きイベントを企画している公認サークル、K-dush2さんのホール型謎解き公演『Re:mind』の感想を書いていきます!

 

 

 

この公演、当初は2018年の慶応義塾大学文化祭「矢上祭」にて開催されたものでした。
その公演が、好評により今回再演の運びとなったわけですね。


サラッと「好評により」などと書きましたが、実はそんな言葉では全く足らないくらいの高評価Twitterのタイムライン上に躍っていました。
あまりの評判に、チケットを発売の1分後には確保してしまったほど。


「とはいえ、大学生が文化祭向けに作った公演でしょ?」
そう思う方もいることでしょう。


正直、この団体さんの謎解きに参加したことの無かった私も、心のどこかでそう思っていた、いや、そう思おうとしていたところがあるかもしれません。
評判が独り歩きして、勝手にハードルが上がりすぎてしまう場合もありますしね。


「自分よりずっと若い学生さんたちに過大な期待をかけるのは大人のエゴだよ!」

そんな心の声を聞きながらも、既にだいぶ高くなってしまったハードルを携えて、下北沢の会場へと向かったのでした…

 

 
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今回参加した謎解きイベント

参加日時: 2019/6/9(日) 10:30
公演名: Re:mind
制作団体名: K-dush2
タイプ: ホール型
制限時間: 60分
チーム人数: 4人
価格: 2,000円

 

体感難易度: 7/10 (1=超カンタン → 10=激ムズ)

 


ホール型って?という方はこちらもどうぞ。

 

gokan89.hateblo.jp

 

ゲーム説明:

これはあなたが人の気持ちに触れ、人生の選択をする体験型ゲームです

(公式サイト(初演時) http://k-dush2.github.io/yagami2018.html より引用)

 

 

 

会場前の看板(写真)「あなたは死にました」


僕たち「あれ?もしかして僕たち…死んでる…!?」

 


ということで、死亡エンドならぬ死亡スタートです。


謎解き公演って、大体60分以内に謎が解けないと死が待っている設定なんですね。
それに対して、最近ではもはや「あー、はいはい、解けないと死にます、と。」くらいに受け入れがちですが、時々ふと理性を取り戻して「なんと理不尽な!」と思ったりもするわけです。

しかし、今回はそんなレベルではありません。既に死んでますからね。

 

 

ただ、公演が始まると、そんな背景設定にも不思議と馴染んでしまうのでした…

 

 

感想

(以下、ネタバレなしの感想ですが、「雰囲気も知らないでおきたい!」という方は閲覧注意です。)

 

 

 


まず、スクリーンにオープニング映像が流れます。
公演のメインビジュアルが醸していた幻想的な雰囲気はここでも漂っています。


そして、公開されているストーリー以上の詳しい状況が明らかになります。

 

…なるほど、そういうことなのか。

 

自分が死んでいるという時点で間違いなく「非日常」なわけですが、いつの間にか独特の世界観に引き込まれています

 


司会者による状況の整理と簡単な説明等が終わると遂にゲームスタート。
開始直後から「あ、これは大変なことになりそうだ…」という雰囲気がチームを支配します。

 

何か具体的なことが分かるわけではないですが、謎解きの経験からくる「予感」のようなものでしょうか。
メンバー全員がそんな認識をなんとなく共有しながら、分担して解き進めます。

 


一つ一つの謎はそれほど重くないものの、他では見ないような斬新なものも多い…!
謎解きに慣れたチームメンバーでしたが、「これ、分かりません…」と自分が一度解き始めた謎をパスする場面がいつになく多くありました。

 


謎を解き、ストーリーが展開し、そしてまた新たな謎を解く…
当初の予感は見事的中し、かなりのステップ数です。

 

しかしながら、謎がストーリーと上手く絡み、違和感なくそこに存在しているおかげで、まるで小説を読み進めるが如く進んでいきます。

 


謎自体の難易度もそれなりに高いものの、設定や指示が明確になっているお蔭か、ストレスなく謎に集中できるのが素晴らしい。

 

 

そのままスムーズに解いていき、遂に物語も大詰め。
ここまでくると、謎のほうもその勢いを増していきます。
これは…気持ち悪い…!

※きもち-わる・い【気持ち悪い】[形]
謎が非常に綺麗にできているさま。謎解きにおいては、しばしば制作者に対する驚きと感動を表現する最大級の賛辞として使われる。


そんな言葉も漏れる中、チーム内で閃きが連鎖し、制限時間を20分ほど残して最終解答に至り、その後5分かけて検証…結局、制限時間終了まで当初解答を変えることなく、そのまま提出へ。

 

 

果たして結果は…

 

 

 

 

 

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無事成功!
全6チーム中、4チームが成功していました。(成功率67%)


解説と成功チーム発表の後、流れるエンディングを観て、「あぁ、成功出来て良かった…」という思いでいっぱいになりました。

  
スタッフさん曰く、私たちのチームはその回は勿論、歴代でも最速ではないかという速さだったようです。
大変さを予見して初めから全力で飛ばしたおかげですね!

 


聞けば、再演では全体を通しても7割弱の成功率だった一方、文化祭で行われた初演時の成功率は10%程度だったとのこと。


それもそのはず。決して簡単な謎ではありません。
謎解きを普段やらない人も多いであろう文化祭においては、それだけ成功率が低くなるのも納得です。
この公演の場合は特に、その構成の美しさも成功率の開きに繋がっていそうです。

 

解きなれている人が「気持ち悪い」と感じるような謎は、ある意味「ここがこうなっていたら凄いな」を実現しているということでもあり、そんな「期待」に従って進めば解きやすいということがあるからです。


と言っても、この謎の綺麗さは、決して謎解き好きだけが理解できるようなものではありません。
誰しも、解説を聞けばその緻密に計算し尽くされた構造に感嘆するはず。


加えて、その謎を浮かせてしまうことなく、世界観・ストーリー・システム・映像とも調和させ、1つの作品に作り上げているところも見事でした。

 


再演は2日間のみで終わってしまいましたが、もし再々演があった際には、今回の私のように発売後1分でチケットを確保することを強くオススメします!

  

 

オマケの謎

まずは前回の解説から。
(まだ問題を見ていない!という方はこちらからどうぞ。)
長方形が様々な図形で区切られていて、その1つ1つに文字が入っています。
そして、指示は「六かくを上から読め。」です。
 
そこで、図形の中から、記事本文にも出てきた六角形(NINE ROOMSやROOM ZEROのシンボル)を探してみます。
 
目立つところに1つ、正六角形に近いものがありますね。文字は「と」です。
もう少し探すと、歪な形ですが左方にももう一つあります。文字は「リ」。
他には、もうないようです。
よって、答えは「とり」…ではありませんね。
 
「答えはかな4文字」と指定されています。
2つ前の問題のような思考で、日本語がだめなら英語で"BIRD"や、アルファベットで"TORI"としてみても、「かな4文字」ではありません。
 
ここで、ある違和感に気付く必要がありました。
問題文の「六かく」という表現です。
「かく」の部分がひらがなになっている上、「六角形」でもありません。
ここに何か秘密がありそうです。
 
問題中にある要素は「図形」と「文字」のみ。
図形でないとすると、「六かく」という言葉で特定の文字を指すことはできないか、と考えると、画数が「六画」のということではないか、と推定できます。
 
問題文に含まれるものも含めて、問題中には六角の漢字が1つだけありました。
それは「肌」です。よって、答えは「鳥肌」でした!
 
 
そして、今回の謎はこちら。
 
 

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解答・解説は次回。では!