なぞときロジック

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【閲覧注意】禁断の裏技⁉︎ メタ解きの極意

Twitterの記事優先度アンケートでなぜか圧勝してしまったので、今回はテーマは「メタ解き」です。

 


本来の解き筋を無視して強引に謎を解いてしまうメタ解き。

(と、ここでは定義します。)


これは非常に強力であると同時に、大変危険です。
少しでも不安を感じたら、ここで戻るボタンを押して引き返すのも勇気です。

 

 

メタ解きは、あなたにとって謎解きを楽しめなくする原因の一つとなり得ます。推計によると、メタ解きストは謎が解けていないのに先へ進めてしまう危険性が非メタ解きストに比べて約2倍から4倍高くなります。
メタ解きは、あなたの周りの人、特に同卓のチームメンバーなどに悪影響を及ぼし得ます。メタ解きの際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。
人により程度は異なりますが、解けていないのに解けてしまう快感によりメタ解きへの依存が生じ得ます。
(参考: https://ja.wikipedia.org/wiki/たばこ警告表示

 

 

 


これだけ書いておけば大丈夫ですかね。


では…

 

 

 

 

 

小謎はどうメタる?

まずは、小謎のメタ解きです。


全てのベースとなるのは、【限られた文字から答えの単語を予測する】こと。基本のキですね。

 

例を挙げましょう。

 

例1)
答えは、〇〇イ〇。

 


さあ、答えは何でしょう?

もちろん確定できる筈はありません。

候補がありすぎますね。

(そもそも候補があまり浮かばない、という場合は、クロスワードパズルで鍛えるのが効果的です。)

 

 

ただ、これ以外に何も情報がない場合でも、正解する確率を上げる方法はあります。

 

それは、極力一般的かつ答えとして選ばれそうな言葉を思い浮かべること。

 

多くの人が知っていそうで、仮に英語だとすれば中学までに習うもの。
そして、どちらかといえばポジティブな言葉などがそれに当たります。

 

謎を作る側も「そんな言葉しらねーよ!」と言われたくはないはず。
それに、どんなに賢い制作者さんだって人の子です。
何も制約がなければ、思い浮かびやすく且つ好印象な言葉を答えにしたくなるのが人情というものでしょう。

 


ちなみに、ここでの想定解は「スマイル」でした。

同じく英単語をカナ表記した「アライブ」と比べると分かりやすいかもしれません。

どちらも3文字目が「イ」という条件自体は満たしますが、形容詞の「アライブ」よりも名詞の「スマイル」のほうが一般的には答えになりやすいと考えられ、「スマイル」は中学2年で習うのに対して「アライブ」を習うのは高校2年です。
「生きている」ことも大事ですが、どうせなら「笑顔」のほうが気持ち良いですしね。

 

 


次は、これを少し発展させます。


先程は「これ以外に何も情報がない」と仮定しましたが、公演において通常そんなことはありません。

 

複数ある小謎のうちには解けるものもあるでしょうし、公演のテーマだってあります。

 

そこで使える可能性があるのが【答えの法則性を読み取る】ことです。基本のホですね。

 


先程の例に少し情報を加えます。

 

例2)
答えは、〇〇イ〇。
他の小謎の答えは、「ソルト」、「ハーブ」、「ビネガー」。

 


今度はどうでしょう?

 


多くの人が「スパイス」を答えと予想するのではないでしょうか。

公演のテーマが料理であれば、ほぼ間違いありませんね。

 

 

 

…基本のンに当たるものは思い付きませんでした。

 


ただ、対象を限定するならば、もう少し方法はあります。

 

例えば、迷路やパズル、覆面算。
これらは元々「試行錯誤」や「仮定」により解くものがある上、盤面や対応表に候補となる文字が初めから書かれているため、メタ解きとの相性が良いです。

 

具体的には、迷路なら分岐で「こたえは…」となりそうな方へ進んだり、パズルや覆面算なら単語ができそうな文字の組み合わせに基づいて仮置きしてみることが可能です。

 

また、答えの字数に対して拾えと指定されている文字が多そうな場合は、一度指示文を挟むだろう、と予測することもできます。

文字が盤面などにあるからこそ、直接答えが見えないように指示文を噛ませるわけですが、そのことさえもメタに使う、と。

 

その場合、指示にありがちな、迷路の行き止まりやマス目の四隅、対角線の文字を拾ってみるという方法が考えられます。

 

 

 

中謎はどうメタる?

続いて中謎です。
ここでは、最も一般的な「小謎の答えを解答欄に埋めて指示文を導く」というステップを考えてみます。

 

このステップのメタ解きは、小謎の応用です。

【限られた文字から答えの単語を予測する】ことが基本なのは変わりません。

 

予測する対象が「単語」から「文」に変わるため、難しくなるようにも思えますが、ただの「文」ではなく「指示文」であることを利用しましょう。

 

 

まず、指示というからには動詞の命令形である「…セヨ」「…ヨメ」「…キレ」「…ロ」などで終わることが多いと考えられます。

 

また、動詞があるならその目的語が含まれる場合も多いでしょう。


「ヨメ」なら「モジ」、「キレ」なら「セン」というように、動作に呼応する対象は何かといった視点での予測もできます。

 

さらに、これはメタ解きの方法自体というよりは、メタ解きを前提とした戦略の採り方、とも言えますが、【どの文字が知りたいか考える】ことも有用です。

 

また一つ例を挙げます。


例3)
      ↓
A.    ドア
B.     〇〇〇〇
C.     センメンジョ
D.    ゲンカン
E.        〇〇〇〇
F. トイレ


BとE、どちらを優先して解きますか?

 

 

もちろんBですよね。

 


恐らく指示された動作は「線切れ」でしょう。
ただ、このままではその対象が赤線なのか青線なのか分かりません。

 

この場面では、Eが「キッチン」か「キョシツ」っぽいことはもはやどうでも良く、Bの特定を急ぐのがメタの観点からは正解と言えます。


そしてその際も、翻って小謎のメタ解き方法を使い、「オ」若しくは「カ」で始まる住居に関する単語、差し詰め「オシイレ」か「カイダン」あたりだろう、と想定しながら解くことができます。

 

 

今度はまた少し限定を加えて、得ようとしているものが4桁の数字と分かっている場合を想定してみましょう。

 

解答用紙が、
①チ②クナ③キ④⑤
まで埋まっているとすると、あとは①さえ分かれば「1679」か「8679」か確定できますね。

 

しかも、それが南京錠を開ける場面なら、①を解かずとも両方試してしまったほうが早いかもしれません。
変換表で言葉に変換する場面であるなら、両方変換して言葉になるほうを選べば良いだけかもしれません。

 

メタ解きには、状況に応じた思考も不可欠、ということですね。

 

 

 

 

大謎はどうメタる?

大謎までいくと、もはやメタ解きと正攻法の境界は限りなく曖昧になるようにも思います。

(正攻法っぽいものはこちらでも書いてみています)

 

 

大謎が出てくる前からストーリー上の違和感や特殊な記号・フォント・日本語表現等に気を付けておくのは、「本来の解き筋を逸脱して解く」という意味においてメタ解きとも言えますが、謎解き公演における「正当な注意」と思う人も多いでしょう。

 

 

これをもう少し「メタらしく」発展させるとすれば、【どうなれば綺麗か考える】ということになりそうです。

「自分が作るならどうする?」とも言い換えられます。

 

「せっかくこれがあるのだから、使いたい」、「これをこう解き直せたら凄い」といった観点からアプローチし、その導線や理屈、裏付けを後から探すイメージです。

 

 

 

結局のところ…

「メタ解き」と一口に言っても、ヤマカンに近いものから、かなりの確信を持って答えを出すものまで様々。

 

精度を上げたそれはもはや、(正規の解き筋を外れているとはいえ、)合理的推論や経験に基づく先読みに他なりません。

 

また、小謎メタではまず候補の単語を思いつかなければ話にならず、

中謎メタでは「いま何がしたいのか」、「何のためにこれを考えているのか」を念頭に置く必要があり、

大謎メタでは違和感に気付くことが不可欠でした。

 

そしてこれらの語彙力、大局観や注意力が重要なのはメタ解きも正攻法も同じです。

 

 

詰まるところ、メタ力はそれ単独で上がるものではなく、「謎解き力」と表裏で鍛えられていくのだと思います。(元も子もない結論)

 

 

とはいえ、方法論的なもので補える部分は今回ある程度挙げられたつもりなので、用法・用量守って正しくお使いください。

 

 

最後に…

特に制限時間に迫られる公演では、ラストまで楽しむ為にメタを使うのもやむを得ないことは多々あります。

 

そんな時は、一つ一つの謎や導線、バランスを緻密に計算してくれている制作者さんへの感謝を忘れずに、心の中で合掌してから、バンバン飛ばしましょう。

 

 

では、良いメタ解きを!

 

 

オマケの謎

まずは前回の解説から。

(まだ問題を見ていない!という方はこちらから)

 

タテ・ヨコ・ナナメの線がところどころカラフルに塗り分けられています。

 

赤、緑、青、ピンク(マゼンタ)、水色(シアン)という配色から混色の謎らしいことが分かります。

 

さらに、よく見ると上から2本目の横線が消えており、そして問題文の「?」が赤、青、緑(光の三原色)であることから、加法混色だと考えます。

 

「?」が示す赤、緑、青を含む線(赤・マゼンタ・白、青・シアン・白、青・シアン・白)を順に見ると、それぞれカタカナのナ、カ、マ、と読めます。

 

よって、答えは「ナカマ(仲間)」でした!

RPG色の強い公演だっただけに、RGB、ということで…

 


そして、今回の謎です。

 

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解答・解説は次回。では!